A letter from myself in 2001


2018年3月4日、カナダへの引っ越しのため家の大掃除中、思い出の品がつまった袋が出てきた。こういうモノを見たり読んだりするのは、興味深いと同時に精神へのダメージがでかい。もうノックアウト寸前である。
どうしたらいいか分からないので、とりあえず2001年3月24日の日付の、研究について語っている自分への手紙的なものだけスキャンして取っておいた。


2001年3月といえば、私は27才。むう・・・


これは、昔の私がこんなことを書いていたという個人的記録、およびその感想文です。
それ以上でも以下でもありません。読む人は自己責任でお願いします


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2018年3月時点での感想

感想もへったくれもないのだが、もう一回17年後(つまり2035年)にこれを見るとき、2018年の私はどう思っていたのか知りたくなると思うだろうから、とりあえず書いておく。

まず事実関係として、2001年3月は著者の学位(京都大学理学博士)取得日の翌日である。学位審査がいつだったかは不明だが、実質的には学位は数か月前に終わっていて、むしろ東京への引っ越し(2001年4月から東大に技官として勤務)の準備のまっさかりであったと思われる。引越し準備の最中になにか懐かしいものを見つけ、そしてこういう文章を書く気分になったのかもしれない。当時から(今でも)私はスキーが大好きだが、GPLにそれほどハマっていたのも懐かしく思い出した。ちなみにここで言うGPLとは、Grand Prix Legends というPC向けのドライブシミュレーターである。さらに補足すると、東京に来た直後からカートを本格的に始めている。

東京への引っ越しは大きな人生の転機ではあったが、行く直前の私は大変前向きな気分でいたのをかすかに覚えている。きっと新しい人生にむけて、希望に満ち溢れていたのであろう。ちょっとした躁状態だったのかもしれない。その希望はいったんへし折られてから、自分自身をもう一回発見することになるのだが(笑)

この手紙(?)の書き出しは、今の私には恥ずかしくてとても書けないだろう。その後の内容もしかり。
内容的には、「君が失ってしまった根拠のない自信」とあることから、「自然現象の数々に対してそれらを統一的に論理的に、そして何よりも美しく説明するような理論を発見する」という夢に対して、自信を失った自分自身を鼓舞するための文章である。鼓舞するために意図的にそう書いたのかもしれないが、この文章を読んだ感想は、この頃にはまだこんなに強く少年の心を持っていたんだな、というものである。書いてある内容は全面的に正しいと思うし、恥ずかしいかどうかは別として、1文字たりとも修正したいとは思わない。今(つまり2018年現在)打ち込んでいる趣味も大事だとは思うし、そこで学ぶことや、そこから得られる人生の喜びも私の人生の大切な一部だとは思う。しかし、スキーやGPLと同様に、それをやるなとは書いていない。ここに書かれたその夢を諦めないでと主張しているのである。

To myself in the busyness との類似点も多い。そういう意味では、私という人間の本質は27才のときから何も変わってないんだな、とも思った。
人生のそれぞれの瞬間で、希望を持って生きることができれば、夢なんて、結局何だっていいのだと今は思う。でもこの夢は「スキーやGPLでは決して得られない幸せ」を与えてくれるらしい。執筆から17年経った今、スキーやモータースポーツは依然として私の人生の一部だが、当時ほどのウェイトはない。別の趣味を見つけたのは理由の一つではある。しかし、死ぬまで変わらない一本の線となるのは、やはりこの夢なのだろうと思う。

ところで

恥ずかしい記録といえば、ちょっと公開はできないような個人的記録も大量に発掘された。捨てようと思って中身をみたら
  ・・・なるほど、捨てられなかった理由がよく分かった。
しかしこれ、いったいどうするのか? 結局引っ越しのたびごとに痛い気持ちになって、私の死後は遺品整理業者によって廃棄されるのは明らかである。誰も何も得をしない。しかし捨てがたい。というか、捨てるにはかなりの精神力が必要だ。
手書きで合計何百枚も書かれているモノを捨てにくいのは、電子化された社会に生きているからなんだろうか?いや、電子化されても、それはそれで、写真とか動画とかが山のように思い出として残るだろう。
モノも思い出も記憶も、全ては消えて忘れ去られる運命にある。人類が残してきた文明や文化は、過去の時代の人間の成果の本当に一部であって、ほとんど全ては個人の死によって永遠に失われる。当たり前の事実だが、結局はその事実を受け入れられないから捨てられないのだろうか?

こんなことしてたら、マジで引っ越しが永遠に終わらん・・・


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