この週末にレンタカーして、一人でLakeTahoeというとこにスキーに行ってきた んですが、そこでえらい目に遭いました;; 日曜に滑るつもりで、土曜日は午後3時くらいに現地について、そのへんを ドライブしていたとき、 日曜の朝から滑るつもりで、300kmほど走ってLakeTahoeに到着。  ↓ 到着は土曜日のPM3くらい。ひまなんで、湖を一周するかと思い出発  ↓ 素晴らしく青い湖、雪化粧した絶壁の岩肌。美しいねえ  ↓ しかしあまりにも道がしょぼい雰囲気なんで、ちょっと不安になる。  ↓ 地図みようと、路肩に車とめる  ↓ 下りだからと思って油断した。雪で出れなくなる  ↓ 押そうにも一人では押しようがない。  ↓ ギアをDにいれたまま、後ろから押してみるが動かない  ↓ 車に戻ろうとしたとき、キーを閉じ込めたことが判明(涙;  ↓ ここは湖を見下ろす絶壁の細い道。町まで20km  ↓ 死ぬほど寒い 幸いにも1分に1台くらいは車が走ってる。  ↓ とにかく凍死してはいかんので、死ぬ気でとめる  ↓ ラッキーなことに、スキー帰りのいい感じのおっさんゲット  ↓ 町(TahoeCity)まで乗っけてもらうことに  ↓ しかし道中、このおっさんが実は悪人やったら、と思って気が気でない  ↓ スキーヤーだったんで、必死でスキーの話題を話す(笑;  ↓ 無事にTahoeCity着。「君の車はEmeraldBayにあるって言うんやで!」 と念を押してくれるくらいいい人やった。疑ってごめんw  ↓ ガソリンスタンド(SHELL)でおろしてもらって、そこの兄ちゃんに事情を説明。  ↓ 「ここにはレッカー車はないですけど、そこに電話があるから、それでレッカー会社に 電話して下さい」  ↓ しかしコートも金もパスポートもクレジットカードも全部車の中。まさに無一文(笑; 兄ちゃんが状況を憐れんでくれて、従業員用の電話で、レッカー会社に電話してくれる  ↓ しか〜し!「んな遠いとこまで行けません」と断られる。マジですか(涙;  ↓ TahoeCityは人口1000人くらいのちっちゃい町  ↓ 兄ちゃんはイエローページで探してくれるが、客とかも当然くるのでなかなかはかどらず。  ↓ 日が暮れる。雪が降ってくる(汗;  ↓ ようやく行ってくれるという会社をみつけるが、その会社は別の町 (SouthLakeTahoeCity)の会社で、ここから約50km(笑)  ↓ EmeraldBayは、TahoeCityとSouthLakeTahoeCityとの丁度中間あたり  ↓ ちなみに会社名はEmeraldBayTowing。あの道を縄張りとしてるらしい(^o^;  ↓ にも関わらず、「TahoeCityまで行ってから戻るとなると、$250は かかるよ。もっと近くに会社あるでしょ?」  ↓ なんか行くのイヤそう(T_T;  ↓ もっと近くの会社を探すも、なかなかみつからない  ↓ 完全日没。天候がやばくなってくる  ↓ さっきの会社に$250払うから来てくれと連絡。  ↓ 雪の山道を50kmいくには、どうしたって1時間は待つ  ↓ 兄ちゃん仕事忙しそう。しかもボーダーだったので、話が合わず(爆;  ↓ レジのあたりをうろつく日本人を、客はじろじろ見ながら通り過ぎる  ↓ ガソリンスタンドにはいろんな客がくる。ほとんど英語しゃべれない中国人がきて、 「INNはどこだ?」と必死に食い下がっていたのが印象的だった。 日本人はあそこまで厚かましくはなれまい<人のことを言える立場か?(^^;  ↓ SHELLの兄ちゃんの奥さんがきて、いちゃつきだしたので、居場所がなくなる(笑;  ↓ 奥さんにも事情を説明し、"I was so stupid."とため息ついてみせるが、↓ 「ほんとにバカね」という反応をされる。事実その通り(号泣;  ↓ しかし、外は真っ暗で雪。建物の中にいれるだけでもありがたい。  ↓ 兄ちゃんは忙しいのにいろいろ調べてくれたし、ヒッチハイクしたおっさんといい いい人が多くてよかった  ↓ そこへ警官がパトロールに来る。  ↓ 事情を兄ちゃんから聞く  ↓ そして、「そりゃ大変だわ、へっへっへ〜」と笑って去っていった・・・  ↓ 凹んでるところへ、ようやくレッカー車到着。結構ごついレッカー車だ。これに乗って現地まで戻る。  ↓ レッカー車のおっさんいわく、「途中で君の車みたとよ。チカチカ光ってたから すぐに分かったとよ」  ↓ このおっさんの英語は、方言くさくて(?)分かりにくい  ↓ とはいえ、こっちは心細い限り。必死で会話を試みる  ↓ おっさん、音楽のボリュームを上げて会話拒否(T_T;  ↓ 雪がどんどん降るので、心配になって、チェーンがなくてもEmeraldBayから帰れるか聞く(大声でw)  ↓ 「わっしが後ろからついてってやるから、大丈夫だとよ。ほれ、あそこさ 君の車のライトがみえるとよ」  ↓ ところで、借りた車は、FORDのMustangというスポーツカー。色は真紅。  ↓ マスタングといえば、そこそこ有名な車なんですよ。日本での販売価格は400万円くらい。  ↓ あれは!!!  ↓ 真っ赤なマスタングが、雪で覆われたガードレールを乗り越えて、ほとんど 落ちそうになりながら辛うじてひっかっかってます  ↓ ここはEmeraldBay。絶壁に作られた絶景の道路です。もしガードレールを超えれば 100m下のタホ湖までまっさかさま  ↓ 「あの車じゃないっとね! わいは来る途中に君の車みたとよ!! 路肩にとまってたとよ!!」  ↓ おっさん、必死に否定  ↓ こんときのおっさんの顔は、今でも脳裏に焼きついてます  ↓ とはいえ、こんなとこに赤いマスタングが2台も3台も転がってるわけはなく(笑;  ↓ やはりどうみても、あれが私の車です  ↓ 「なんじゃこりゃあ! わいは15年この仕事やっとるけ、こんなひどいのは 初めてたい!」  ↓ たしかにひどい。右フロントは完全に宙に浮いてる。右リアと左フロントの2点で ガードレール(というか雪の壁)にひっかっかってる状態  ↓ しかも壁の角度に沿って、50度くらいバンクしてる。 結構なスピードでこの壁に乗り上げたらしい  ↓ 「わいは路肩にとまっとったのをみたとよ。誰かがぶつけたに違いないっと!」  ↓ しかし、私は知っている。車のエンジンがかかったままで、ギアもDに入ったまま だったことを(涙;  ↓ という事情を説明するが、おっさんはそれでも納得した様子はなし。 確かに勝手に走りだしたとしても、なんでこの壁にここまで乗り上げるのか? 何が起こったのかは永遠に謎  ↓ 万が一、2004 Jan 24 の 1900 PST 頃に、LakeTahoe (California,USA)の西岸の EmeraldBayでとんでもないものを見たって人がいれば、ぜひとも連絡下さい。 それ、私の車です(笑)  ↓ あまりにかっちょいい光景に、思わず写真を撮りたい衝動に駆られる<バカ?w  ↓ 「こら無理たい!ええか、あの壁の向こうは湖まで崖になっとるたい。下手なこと しよったば、車は湖まで落ちてまうたい。こっちの命だって危険だったば!」  ↓ え?(汗;  ↓ 無理ってあんた、プロでしょ?頼むよ、マジで。  ↓ とはいえ確かに、下手にクレーンでつろうとすると、マスタングが万一壁を 超えてしまった場合、マスタングの重みでレッカー車まで落ちるという可能性はある・・・  ↓ 真っ暗な山道。雪はしんしんと降り続いております  ↓ とりあえず、ドアを開けてエンジンをとめんことには  ↓ おっさんは、まず左側(運転席側)のドアを開けようとするが、なんか開かず  ↓ 右フロントは宙に浮いてるわけだが、どうにかして右側のドアを空けて中にはいる  ↓ おっさん、今車が落ちたら君死ぬで、とつぶやく  ↓ なんか私は興奮しすぎで、逆に冷静らしい  ↓ どうやら、エンジンをとめるのは成功したようだ。さすがプロ  ↓ しかしおっさんは、無線を使って仲間に救援を要請  ↓ 「とりあえずこのトラックじゃ無理たい!もっとごついの呼ぶたい!」  ↓ 「まったくひどい!ほんとにひどい!!うごご〜」  ↓ おっさんは私より興奮してる模様。さらに分からない英語をしゃべりだす  ↓ と同時くらいに、パトカーが来る(たぶん偶然)  ↓ とりあえず状況をみて、誘導灯みたいのを設置してくれる  ↓ おっさんは、警官と話したり無線で話したりしてるうちに、徐々に落ち着きを取り戻す  ↓ とりあえず、安全な方法を試すといって、なにやら始める  ↓ 「絶対に、車から出るな。ここにいろ。OK?」  ↓ と分かりやすい英語で強く言われ、私は車内から窓に顔を貼り付けながら状況を見守る  ↓ どうやら、マスタングのリアは壁の内側にあるので、左フロントタイヤにワイヤを かけて、フロント側を壁の内側に引っ張る作戦のもよう  ↓ スイッチオ〜ン!  ↓ ごろごろ。レッカー車が微妙に滑る。怖い  ↓ しかし力づくで、マスタングを道へと戻すことに成功(^^;  ↓ なんだかんだしてるうちに、雪はさらに深くなり、道はもはやノーマルタイヤでは 走れない状態に  ↓ 「このままSouthLakeTahoeの町までレッカーするたい」  ↓ レッカーで30kmですか  ↓ 「ところで、あんた、レンタカーするとき保険はいりよっと?」  ↓ 保険は入ってたが、普通に考えてレッカー費用は出ないでしょ  ↓ 「つうのも、ようわからんが、これは$250じゃすまんっと。たぶん400か500はいくっと」  ↓ リフトの半日券が$46もするのをみて、今日はスキーはやめてドライブに行こうと 思ったんですけどね  ↓ つーわけで、無事町に到着。おっさんは誇らしげに無線で本部に報告  ↓ 「ほほう! そいつはでかしたぞ、マット!」  ↓ 3流刑事ドラマのようなセリフが無線から聞こえてくる  ↓ 車からクレジットカード(とコート)を取り出して、番号を本部に伝える  ↓ $490の請求書にサインする(涙;  ↓ 幸いというか奇跡的というか、車にはまったく外傷はない。とはいえ、強引に 壁から戻したので、本当に自走できるのかは、不明  ↓ 走らせてみる  ↓ 30分前まで、あと30cmで湖に落ちるところだった車とは思えないくらい快適  ↓ マスタング、スポーツカーの割には頑丈にできてるのかも  ↓ パワフルなV6 3800ccのエンジンとクルーズコントロールが、快適なドライブを約束します。 ご購入を検討される方は http://www.ford.co.jp/mustang/ へ(爆;  ↓ 翌日は何事もなかったように、朝からスキーへ。  ↓ Heavenlyはやっぱり素晴らしいスキー場である。タホ湖の青さがなんとも言えない。  ↓ タホ湖を一望できる場所で休憩  ↓ ああ、あそこの壁から落ちかけたんだなあと思うと、感慨もまたひとしお(笑;  ↓ というわけで、PM1ごろに帰途についたのであった(^^;