ついに念願のマイカーを手に入れる。63年式シルビア(S13) Q’s MT
FRのライトウェイトスポーツが欲しかったので、ロードスター、カプチーノ、ビート、 FC3S、AE86などが候補だったが、予算と実用性とを考慮した結果、S13 に決めた。
この時点での走行:107050km
この時点での装備:シュロス4x3ベルト、モモステアリング、BRIDGESTONE G'GRID 205/60R15 91H
古い車なので、最初はいたわって走っていたが、走りになんの問題も感じられず、 ついに山中超えに初アタックを敢行する。以前乗っていたアコードと比べると、 加速、コーナリングともに、比較にならない。 嬉しくて走り回る (^^;
いつものように山中超えを走っていると、警察が。なにかと思って見てみると、 そこには右フロントを大破した Lancer Evolution IV が。「あちゃー、新しい車 なのにいっちゃってるねー」と思いつつ見ていると、ドライバーが出てきた。 ほとんど僕と同じ年頃だ。「明日は我が身か」と気を引き締めて、走る。
その翌日、納車からわずか1週間後、早速左フロントをぶつける (^^;
左フロントを中心に始まった回転は、左リアもコンクリートウォールにぶつけてようやく 止まった(涙)
どうやら私は他人の経験から学習するという事ができないらしい(笑)
場所は雨の山中超えのタイトな右コーナー(ギャラリーコーナーから京都側へ走り、 高速S字、左コーナーを超えて、その次の急な右コーナー)。夕方アクセルペダルを 交換して、その感触を確かめに走りに行っていたのだが、ここで僕は出来ない ヒール&トゥなんかをやろうとして、足が滑ってブレーキから離れてしまう。 オーバースピードに気が付いて、無理やりステアを右に切ったが、濡れたゼブラの上で フロントタイヤは完全スライド状態。 コンクリートウォールとの衝突速度はおそらく40km/hくらいだったと思われる。 ぶつかった瞬間は、4点ベルトのおかげもあって、軽い衝撃を感じたくらい。
で、自走できたので、ちょっと広い所に車停めて降りるも、右から見ただけで は何の損傷もなし(当たり前か^^)。前に回ってぐっしゃりしてる左フロント を見た瞬間に、顔面蒼白になる。
グリルはすでに乗っかってるだけ状態。バンパーはそれほどひどくないものの、 左サイドフロントフェンダーがかなりいっちゃっている。奇跡的にも左ヘッドライトは無傷。 エンジン、ラジエーター、サスともに 重大な損傷は認められないのが、不幸中の幸いか? 写真をもっと見る。
徐行しながら帰路につくと、 少しハンドルを左にとられる。ホイールバランスの問題かな?
#まーアラインメントはいっぺん見てもらおうと思ってたから、ちょーどいーや (笑)
「修理費用は2桁いくだろうなー。うーん、今度こそこの教訓を胸に刻み付けよう」
と心に誓う。
この時点での走行:107250km
この時点での装備:いかついフロントマスク (笑)
店のお兄さんに軽く見てもらう。
「足がいってないとしても、30万くらいはみといた方がいいでしょうね」
頭クラクラ...
えーと、しめて90万円也...
この日の夕方の時点では完全に廃車を覚悟していた。しかし tuning-ML WB-ML の 人々の暖かい励ましにより、根性で直す事を決意する。
関西随一の車の墓場、八幡へパーツを買い付けにいく。同色のフェンダー、バンパー、 ボンネットを入手して塗装費用を浮かそうと思ったが、そんなに都合よくはいかなかった。 とりあえずヘッドランプとコーナーランプを買って帰る。しめて5000円。ちなみ新品 だと46210円也。
買ってきたパーツをつけるために、ハンマーとペンチを片手に奮闘する。これが意外と 苦戦する。4時間におよぶ戦いのすえ、ようやくなんとかパーツがつく程度にはなった。 やはり自分で苦労して直すと、愛車に対する愛情も湧くというものだ。
ラジエータ洗浄剤をつかう。アンダーカウルをはずしてドレンコックを 緩めると、出るわ出るわ。茶色く濁った水がぼとぼとと。正直言って ここまで汚れているとは! という感じ。上からホースで水を流し込むのを1 0分くらい続ける。多少はましになってきたところで、日没 (^^; ここらであ きらめて、LLCを入れて作業終了。全3時間程度。
ASCのTIサーキットでの走行会に初参加することに。 阪神高速のPAでASCのメンバーと合流し、TIサーキットまで 連れてってもらうことにする。山陽道和気ICを降り、そこで ガソリンを補給するまではよかったが...
エントリー時刻に遅刻しそうな我々一行は、TIへの下道を飛ばす。 高速左コーナーをかなりのスピードでクリアしたあとに、 直角右コーナーが控えていた。そこに前を走る人々(Sタイヤを 履いたエボ3やR32GTRなど。今思うと、こんなやつらと同じ スピードで曲がれるわけなかったのだが . . . )は次々とすごい スピードで進入していく。
「まー、前の車が曲がれるんやから、こっちも曲がれるやろ」
という根拠レスな自信とともに突っ込んだ私は、S13にまた 新しいなま傷をつけてしまったのであった。(真後ろから事件を目撃 したいのっぴきさんによると、道の上の砂に乗ってはらんだらしい) 左リアフェンダーがガードレールにヒット
教訓その1:前の車が曲がれたからといって、自分も曲がれる とは限らない。合掌 (T_T;
傷は普通の人ならかなりショックを受けるような状態ではあったが、 「ま、走行には支障ないじゃろー」 とすぐに立ち直る。すでに一回派手にぶつけてる強みであろう。
教訓その2:直したってまたぶつける。よって自覚のある人(?)は、 走行に支障のない傷は放っておくべし
サーキット走行は実に楽しかった。なんといっても幅がやたら 広い上に、エスケーブゾーンがかなり取ってあるので、安心 して限界まで攻め込むことでできるのがいい。 今回の走行で、僕の車も基本的にはアンダーであること、 しっかりとしたブレーキングで過重移動し、適切なタイミングでステ アすれば、驚くほどすっと頭がインを向いてくれること、 アクセル空ければ結構簡単にパワーオーバー の状態になること、このパワーオーバーが少しだけ出てるような 状態で曲がるが一番速い(たぶん)こと、などがはっきりと体験 出来た。実に貴重な体験であった。車を速く走らせるのが、多少なり とも好きな人ならば、一度はサーキットを体験しとくべきだろう。
ちなみに今回のベストラップは 2分12秒 であった。サーキット 初体験&NAのCA18DEエンジン&ドノーマルセットアップ という事を考えれば、悪くないタイムだと思っている。
教訓その3:サーキットでなければ、真の限界走行は学習できない。 ただし、命とお金が無限にある人は除く(笑)
この日だけで、すでに普通の生活に換算して10日分くらいの経験を していたが、イベントはまだ残っていた!
30分x3の走行を終えてピットに戻ってくると、どうもブレーキ から金属同士が擦れるような音がする。ASCのMarさんなどにも 見てもらった結果、ブレーキパッドがなくなってるのでは、との事。 すでに時刻は午後3時。朝起きたのが4時だったので、もうたいがい しんどかったのだが、仕方なくブレーキパッドを探す旅にでる。
フロントのパッドはすぐに見つかった。そこで工具を借りて自分で 交換する。店のピット脇の場所を貸してくれただけでもありがたい のに、フロアジャッキやらまで貸してくれて、最後には缶コーヒー までおごってもらった。渡る世間には鬼はなし、とはよく言ったもの だ。ちなみにパッドの値段は9000円。パッド残量は一番減ってい た右フロント外側で 1mm ほどだった。
リアのパッドもすぐに見つかったのだが、その店にはノーマルの パッドはなく、スポーツタイプの物しかなかった。
「14000円です」
所持金はと... げ! 8000円しかない。すでに銀行のCDは全て 締まっている(そんな物がこの辺境の地にあればの話だが)。 でもノーマルならこの 値段でも買えるはず。もはや完全に金属むき出しの左リアブレーキを かかえたまま、日産のディーラーを回る旅にでる。
「眠いよー。腹へったよー」
しかしあと1時間もすれば、ディーラーも店終いしてしまうのだ! 備前市のディーラーで聞いたところ、赤穂市の日産に在庫がある とのこと。とっくの昔に左リアブレーキは限界に達しており、 ブレーキを踏まなくても、キーキー鳴っている。しかし 1速2速のエンブレを使いまりながら、最後の50kmを根性で走る。 ADVANのゼッケンをつけたまま、信号で減速する度に爆音を たてるシルビアを見て、赤穂市の人々はどう思ったであろうか?
ようやく赤穂市の日産に到着する。
「あの、電話で話した若野ですけど、S13のブレーキパッド...」
この時僕は、まさにわらをもつかまん顔をしていたであろう。
「あー、はいはい。8000円ね」
ががーん! その時の所持金は約8000円であった。事情を説明し、 せめて晩飯代は残しておいてくれ、という事で7000円にまけて もらった。リアのブレーキパッドはフロントと違って、ピストンを 回して押し込まなければならない。その為の工具なども貸してもらっ たが、これが無茶苦茶堅い。しかし2時間ほどの格闘のすえ、なんと か左リアだけ交換に成功する。
後は飯食って帰るだけである。とはいえ、赤穂市から京都市までを下 道で走るのはそれなりの体力を必要とする。コンビニでできるだけ カロリー/価格 の高そうな食品を選んで晩飯を食う。そしてなんと か京都まで帰り着いたのであった。
教訓その4:サーキット走行の前には、ブレーキパッドを点検しよう
事前に分かってれば、こんなしんどい思いもしなくて済むし、解体屋 で拾ってくれば、ブレーキパッドなんてタダ同然だったはずだし...
この日は本当に疲れた。イベント満載で、ブレーキパッドを交換して いる時には、左リアの傷なんて遠い昔の事に思えたものだ。
教訓その5:貧乏人の車遊びは、体力勝負である!(笑)
翌日は友達の女の子とデートである。それに備えて、ガムテープ& ビニールテープで応急手当をしたままほったらかしていた左リアフェ ンダーの修理を行なう。修理といってもこの場所はフェンダーを 外すことも内側から叩くこともできない場所なので、塗装するだけ なのだが...
これまで使って来たプラサフ、グリニッシュシルバーのスプレーに 加えて、メタリック車仕上げ用のクリアのスプレーを使って見る。 これが実に使える!! どうしても残る塗装のムラなどがみるみる と消えていくのだ。メタリック車を自分で塗装しようとしてる人は、 絶対にクリアを最後に使うべき。それからガムテープを透明にした ようなテープも、非常に使えます。