Joe流航空会社の選び方
はじめに
今日出張で、ANAで成田からロンドン経由エディンバラにいく。ANAのWEBからチケット購入したので座席は事前指定通りの窓側だが、なんと素晴らしいことに隣の席が空席である。今日の搭乗率は、みた感じだと90%はあるので、かなりラッキーである。そんなわけで、機上でPC使うのもえらい快適なので、私の航空会社選びについてまとめてみることにした。なお、現在私はANAひいきなので、そこはそれなりに割り引いて読むようにw
ANAのB777
航空会社を選ぶ基準1:価格
そりゃ誰だって安いのがいいですね。なんとなく「相場」的なものがあるので、エコノミークラスの場合は大差はないですが、しかし1〜5万円くらいは違います。もし値段だけを追求するのであれば、マイルなんてものは綺麗さっぱり忘れて、各フライトごとに一番安い便を選ぶべき。トータルでみて、それが一番安いです。
一番安い団体扱いの運賃は、3ヶ月前くらいにならないと発売されないので、事前に日程が決まっていても、あまり早くに「最安値」に飛びついてはいけません。その辺は、旅行会社に聞けば教えてくれます。ちなみに、我々庶民には関係ないことですが、ビジネスクラスの料金は、概ねエコノミーの2倍から4倍です。そして、料金もサービスも航空会社によって全然違います。1席あたりのサイズも違うのかも。さらに我々とは完全に関係ないですが、ファーストクラスの料金は大体エコノミーの5倍ですが、もう会社によっていろいろすぎてよく分かりません。。。
要するに、熾烈な価格競争してるのは、庶民相手の座席だけなんですね・・・(涙)
航空会社を選ぶ基準2:機内サービス
さて、エコノミークラスのちっこい座席に押し込められ、アームレストのわずか6cmの隙間を巡って隣の人との心理戦を継続しながら、10時間以上にわたって、ただただ運ばれ続けるという悲しい運命の我々庶民ですが、
しかし我々とて人間です。
「冷凍マグロではないのです!」
それなりの快適性を要求する権利があるというものです。
快適性の最大の要素は広さですが、エコノミークラスである以上は、これは諦めましょうちなみに昔乗ったJALのビジネスクラスは、世界が違いました。世の中やはりお金なんですね・・・
シートの横幅は(機種が同じなら)どの会社も同一です。シートピッチ(前のシートとの距離)は、航空会社によって若干違いますが大差ありません。また、シートそのものも航空会社によって違います(以前に乗ったルフトハンザのシートは、レカロ製でした)。シートによって快適性は変わる可能性大なので、こだわってみてもいいかもしれません。私はあまり重視してませんが。
私が重視しているのは、次のようなものです。
- 個人用液晶モニタ
- ヘッドホン用音声プラグ
- 映画、ゲーム、フライト情報などの番組の充実度
- 客室乗務員(以下CAと略)
- 機内環境
「個人用液晶モニタ」
これはもう必須でしょうね。ついていない飛行機もまだまだたくさん飛んでると思いますし、特に格安航空会社の機体にはついてないでしょうが、個人用モニタがないというのは、私には想像つきません。
6時間くらいなら別にいいでしょうが、10時間越えるとなるとねえ。
「ヘッドホン用音声プラグ」
これはマイナーですが、結構重要なポイントです。
飛行機乗ると大体安っぽいイヤホンのようなものがついてますが、あれは大まかに言って3種類あり、そのうち通常の(WALKMANやiPodなどで使う)ヘッドホンがそのまま使えるのは1種類だけです(ステレオミニジャック)。
昔は、イヤホンというよりもただのチューブでしたねえ(遠い目)・・・
いまでも差込口が2つある、なんか変なプラグは結構あります。
変換プラグも空港で売ってますが、やはりそのまま自分のが使えるのが一番でしょう。後述するノイズキャンキャンセリングヘッドホンとも関係します。
「映画、ゲーム、フライト情報などの番組の充実度」
10時間のフライトなのに、映画2本しかないとか、そういうのは困りますからね。
品揃えも重要ですが、オンデマンド再生(自分が見たいときに再生開始し、いつでも一時停止できる)ができるかどうかは大きいです。あと、現地時刻、現在地、高度などが分かると窓からの景色が100倍楽しめます。
また、モニタやコントローラが故障していると、とてもとても悲しい気持ちになります。大体、そんな故障を放置している航空会社は、きっと機体のもっと重要な異常も放置してるでしょう。というわけで、やはりそれなりの会社を選んだほうが良さそうです。
「客室乗務員(以下CAと略)」
いや私は決してスチュワーデスマニアではありません(笑)
日本人というのはとても丁寧で礼儀正しい民族です。
世界の人たちは、決してあんなではありません。
- 「超美人だけど、凍りついた表情で決して笑わない、エアロフロートのCA」
- 「客をテキサスの牛くらいにしか思っていない、米系航空会社のCA」
- 「エンジンから煙が出てるのに大丈夫と言いつづけることしか出来なかった、中華航空のCA」
などなど、日本の常識が通用しないCAは一杯います。
まあそれだけ世界は広いという意味で、ある意味それを楽しむのもひとつだとは思うのですが、特に海外出張で疲れた帰国便で、キツイCAと遭遇すると疲労も倍増です。
そして考えてください。
美人で優しくて丁寧なCAはどこにいるのか?
はい、そうです。
庶民用の座席には庶民用のCAしか来ないのです(涙)
どこのCAがいいのか、私はそんな詳しいわけではないですが、すくなくとも日本の航空会社(JAL/ANA)のCAには日本の常識が通じます。そして日本語もしゃべります(当然ですが)。これって結構大きいです。
「機内環境」
狭い空間で過ごす以上、嫌でも隣の席の人と無関係ではいられません。たとえば日米間の便に乗るとして、ANAとUnited航空とでは、客層はどうでしょうか。
日本人とアメリカ人の割合は、ANAの方が日本人が多いのは当然です。
では、日本人とアメリカ人の最大の違いは何か。
ええ、たしかに常識も違います。
えんえんとビール飲みながらいちゃつき続ける白人カップルに遭遇したこともありました。
しかし最大の違いはなんといっても
「サイズ」
です。アメリカには「すごいの」が大勢いますし、そもそも「平均ウェストサイズ」が違います。
もうお分かりでしょう。アジア系航空会社はお得ですw
さらに、この客層の違いは機内の空調の違いとなって現れます。
機内というのは基本的に寒くて乾燥していますが、ANAやJALは、欧米系航空会社よりかは暖かいです。夏に、乗り換えでANAから米国内線に乗ると、
「殺す気か」
というくらい寒いときがあります。まあそれでも奴らは短パンはいてたりするのですが。人種の違いはいかんともしがたいです。
スカンジナビア航空とか、きっと機内はすごい寒さと想像されます(笑)。
(ちなみに、旅客機は上空10000mくらいを飛ぶので、客室は与圧するとともに暖房してるはずです、たぶんw)
あと、私は常に窓側の席を予約して景色を楽しむ派なので、窓の綺麗さ
も重要です。私の経験では、ANAの窓が一番綺麗です。外側がちゃんと撥水加工されてます。欧米の短距離路線などでは、撥水加工どころか、窓を洗うという発想がないのかも?というような飛行機が一杯あります。
さて、いろいろ書きましたが、要するに機内サービスの点では、アジア系、とくに日本の航空会社が圧倒的にオススメです。
航空会社を選ぶ基準3:マイル
最近どこも派手に宣伝してますね。私としては、そこまで重要とは思わないですが、どうせなら同じ系統のマイルを貯めたほうがいいのは当然です。現在は
- Star Alliance (ANA, UA, LH, etc.)
- One World (JAL, AA, AF, BA?)
- Sky Team (NW, KLM?)
の3大勢力でしょうか。日本の国内線もよく乗るなら、実質2つのうちのどっちを選ぶかになります。
しかしこれは、自分がどこに良く行くか、それに便利なのはどの航空会社かにもよるので、一概には言えないです。さらに最近は、クレジットカードでどうこう、電子マネーがどうこう、キャンペーンでどうこう、もはや全貌を理解するのは不可能です。
しかし私の意見では、せっかく格安運賃より+1〜3万円くらい良い飛行機に乗るのであれば、マイルなんかより上に書いたようなサービスで選ぶべきと思います。
そして、航空会社には、
「そんな シリーズもののお菓子のおまけ みたいなセコイ戦略ではなくて、サービスの本質で勝負しろ」
と言いたいですね。その意味で、シンガポール航空のA380の宣伝には、非常に好感が持てます。また、エコノミークラスとビジネスクラスの中間となる、プレミアムエコノミークラスを用意していているANAなども頑張っています(あれも高すぎですが・・)。
航空会社を選ぶ基準4:地上でのサービスと購入方法
実は以前、私はJAL派でした。旧国営系列(American Air, British Air, Air France, JAL など)が、そのネットワークの規模ゆえに、一番便利だろうと思っていたのです。しかし私を転向させたのは、たしかナッシュビル(米テネシー州)の空港でのAmericanAirの地上スタッフのあまりの態度の悪さでした。
小さくて重いカバンを預けようとしたら、「こんなの軽い軽い、機内に持ち込め」と言われた
地上でのサービスもかなり重要だと思うのですが、どの航空会社もあまり本気にはみえません。ボストンLogan空港では、自動チェックイン機が故障して、すべての端末にWindowsの画面がそのまま表示されてたのも見たこともあります。
預けたスーツケースの扱いなんかも、すごいです。時間があったらぜひ空港でじっくりと荷物を降ろしているところを観察してみましょう。日本人は丁寧だというのは、ここでも実感できます。機内と違って、地上要員はどうしても現地の人になるので、航空会社というよりもその土地柄で決まるという感じでしょうか。
チケットの購入に際しては、最近はネットで航空会社から直接買えます。
会社にもよるでしょうが、直接買ったからと言って、そんなに高くはなりません。
直接買う最大のメリットは、事前座席指定ができること。それから、その便の混雑具合がダイレクトにインタラクティブに分かることです。
10時間を越えるような長距離便だと、搭乗率が80%以下というような便は少ないですが、それでも「隣が空席」という「5万円くらいの価値はあるラッキー」に恵まれる確率は搭乗率次第です。一人で乗る場合、「5列シートのど真ん中」は論外だし、「3列シートの真ん中」も泣きたいですね。
事前座席指定ができ、ネットで空席状況がひと目で分かる購入方法を強くオススメします。
余談ですが、少なくともANAは、ネットで直接買っても、あとでちゃんとした領収書を郵送してくれるので、研究費も使えます。
航空会社を選ぶ基準5:機体
長距離国際線を飛ぶ飛行機の種類は、あまり多くはありません。そして、ここで述べてきたような優れた機内環境を持つ可能性のある機体は、はっきり言って最新型である3種類だけです。
時刻表で機材はチェックできるので、必ずチェックしましょう。
有名なジャンボジェットB747(時刻表では744,747など)は、長距離路線で最もよく使われている機体ですが、基本設計が古すぎ、新シリーズも当分でなさそうです。B747はすでに中古機として貨物用にばんばん改造されています。もはや旅客機としては寿命を迎えつつあり、いろんな意味で機内設備は旧式です。機内設備重視なら、B747を選んではいけません。
A380は最新最大の巨大旅客機で、充実の機内設備もウリです。ぜひ乗ってみたいものです。
オススメ一覧
「機内でのストレッチ」
一時期エコノミー症候群が話題になりました。あれ以来、座席で足動かせとかいう放送がされてますが、んなことをする必要はありません。10時間以上座りつづけるという行為自体が、すでにかなり不健康です。フライト中、2回くらいはトイレにいくでしょう。そのとき、最後尾のトイレまでいけば、非常口付近に多少のスペースがあります。そこで、
思いっきり
繰り返します
思いっきりストレッチ
をしましょう。
アキレス腱のほか、腕をぐるぐる回す、腰をツイストする、などなど。
どうせ暇なんだから、5分くらいは続けましょう。
かなり気持ちいい上に、健康上もグッドです。ストレス発散にもなります。
「寝る」
機内はかなりうるさい上に、それなりに振動もあります。すぐ隣に他人がいます。
なかなか熟睡するのは難しい環境ですが、人にもよるようです。
もしあなたが「何処でも寝れる」という 得がたい宝 を持っているなら、何も考えずに寝るのが一番でしょう。はっきり言って、機内は寝た者勝ちです。
エコノミークラスなんて、どうせたいした飯はでません。寝れるだけ寝ましょう。
また、寝れる人にとっては航空会社なんかどうでもいいので、安いチケットでいいでしょう。
寝れることを神に感謝しつつ、寝ましょう。
「ノイズキャンキャンセリングヘッドホン」
私のように絶対寝れない人の場合は、どうにかして時間を潰す必要があります。
とはいえ、米東海岸からの帰りなど、あのせまい空間で、14時間を潰す必要があり、なかなか大変です。本も良いと思いますが、振動が多いせいか、結構酔います。酔わなくても、疲れます。私の場合、夢中になれるのはゲーム類なので、いつもノートPCと任天堂DSを機内に持ち込んでいます。ノートPCのKBとかマウスは(肘が隣の席にあたるのでエコノミークラスの座席では)ほとんど使えませんが、USB接続のJOYPADを使えばゲームはOKです。もちろん、機内の映画などの番組も見ます。いろいろ用意していろいろやっても、それでも14時間は長いです。最後は退屈するんじゃなくて、疲れ果てて何もする気がなくなります(涙)
そこで圧倒的にオススメなのが、ノイズキャンキャンセリングヘッドホン。
機内の騒音というのは、実は凄まじくて、通常そんな環境では寝ることはおろか、まじめに仕事するのだって不可能なレベルです。それを相当なレベルにまで改善してくれます(とはいえ、完全な無音は残念ながら達成できませんが)。
私が愛用している(免税店で衝動買いしたw)SONYのMDR-NC500Dは、それまで使っていたものより、すべての面で素晴らしい性能を持っています。ANAのファーストクラスでも採用しているようです。(お値段も4万円と素晴らしいのですが・・)
これがないと、映画を観るときなども、セリフを聞き取るために音量を上げる必要があり、すぐに耳が疲れてしまいます。安いものは5000円くらいからあり、ないのとあるのとでは雲泥の違いでしょうから、ぜひともオススメします。
ちなみに、ビジネスクラス以上では無料貸し出しだったりするようです。
ANAの欧州便(2008年夏、B777-300)では、プレミアムエコノミークラスのヘッドホンが標準でノイズキャンキャンセリングでした。
ANAのエコノミークラス解説
ANAのエコノミークラスのサービスは、概して良い。
たとえば、2008年夏のNH201便(成田→ロンドン)の昼食メニューは次のとおり。
- シーフードカレー
- ミニざるそば
- ポテトサラダ
- (微妙に高そうな)ハム
- 野菜のオリーブ炒め(?)
- パン
- クラッカーとクリームチーズ
- ハーゲンダッツアイスクリーム(バニラ)
- 水(300mlペットボトル)
味は非常に旨いとは言わないが、十分に納得できるレベルである。カレーも、ホタテやイカなど具がたっぷりで美味しかった。これから2週間滞在するイギリスでの食事を考えると、持って帰りたいくらいだ(笑)
そして、品揃えもなかなかである。さらに、パンにはマーガリンではなくて、ちゃんとバターがついている。こういうところで、変にケチっていないのもいい(ちなみに私はマーガリンが大嫌い)。温かいお茶、コーヒー、コーラ、ジュース、ワイン、ビールなど、思いつく飲み物はたいていなんでもある(無料)。また、水をペットボトルでくれるのもありがたい。さらに、コーラを頼むと、ちゃんと氷をいれたコップと、缶1本をくれるのは、恐らく米系航空会社に習ったのだと思うが、私としてはかなり好感度アップである。
定価が300円に値上がりしたハーゲンダッツのアイスを、ごろっと一個くれるのは、私としてはやりすぎな気もするが、甘党の人にとっては嬉しいものであろう。
というわけで、食事について不満は一切ない。
ANAは、少なくとも北米便とヨーロッパ便は、すべてB777で運行している。B777は比較的新しい飛行機だが、それでも航空会社によっては、個人用液晶モニタを装備していない会社もある。むかし乗ったマレーシア航空のB777は、個人用モニタはあったものの、コントローラが壊れていて使えなかった。私の知る限りANAではこんなことはない。
もちろん、Emirates航空のように観れる映画が100本くらいあればなおいいのであるが、とりあえず現状でもいろいろ含めて15番組くらいはあるので、まずまずではなかろうか。もちろん、オンデマンド再生対応である。
このようにANAのサービスには、コストパフォーマンスも含めて概ね満足している。
しかし、それでもやはり不満はある。ANAに限った話ではないが、
私のもつ唯一最大の不満は
「各座席に電源がない!」
である。航空機用電源規格として、EmPowerというのがあるらしく、ビジネスクラス以上なら標準装備なのだが、エコノミークラスでは部分的にしか装備されていない。
部分的に装備といわれても、一体どこにあるのか? 他人の席にあるコンセントをどう使えというのか?
Internet使わせろとまでは言わないが、ノートPCをバッテリ切れの心配なく使いたいものである。恐らく最新機種であるB787やA380では、各席装備になるのであろうが、B777も今後まだまだ使うことを考えると、改修を期待したい。
あるいは、有料でノートPCを9時間くらい稼動できるバッテリを貸し出すというのはどうなのだろうか。たしかJALのビジネスクラスには、そういうサービスがあったはず。
ANAのプレミアムエコノミークラス解説
2008年夏のNH202便(ロンドン→成田)で、なんと超ラッキーなことに、席がプレミアムエコノミーにアップグレードされた。なんとも今回のエディンバラ出張の機内環境は、感動的に快適である。エディンバラ→ロンドンも、A321の3列シート窓側で、真ん中の座席が空席だった。
(ちなみに、A321の座席配置は3-3だが、真ん中の座席が明らかに1番でかい。そして窓側席のほうが通路側より少し小さい。)
さて、プレミアムエコノミーは、確か価格が2倍くらいしたはずであるが、そのサービスの内容は、座席の広さ以外はエコノミーと同等サービスという話である。実際搭乗してまず感じたのは、やはり座席の広さ。特にシートピッチ(前の席との間隔)は感動的である。座席配置(横)は、
- ビジネス:2−3−2 合計7席
- プレエコ:2−4−2 合計8席
- エコノミ:3−3−3 合計9席
というわけで、シート幅はエコノミーとビジネスとの中間である。しかし実際座ると、圧倒的な広さに感じる。左右は新幹線のグリーン席なみ、前後間隔は通常席なみである。いまこの文章をプレエコの座席で書いているが、ノートPCのKBを打つのに、隣の人を気にする必要がまったくない広さである。これ以上の広さは「座る」限りは不要であろう。
ただビジネスクラスでは「フルフラット」がウリになりつつあり、「横になって寝る」ためにはこの空間では狭いのかもしれんが・・・
広さ以外では、SONYのノイズキャンキャンセリングヘッドホンMDR-NC6が、普通に座席についていた。また、機内用スリッパ(持ち帰り可)も。このへんは、ビジネスクラス待遇と言える。食事と個人用モニタの内容はエコノミーと一緒。
さらに、私がエコノミークラス最大の不満と書いた電源だが、EmPowerどころか、ACコンセントがついている(AC110V/60Hz/70W)。各座席ごとに70Wもの交流電源を、一体どうやって作ってるのかよく分からないが、とにかくついてる。素晴らしい。
しかし、ACコンセントがあることを事前に知らないと、普通機内にはACアダプタは持ち込まないと思うのだがw
ちなみに、物理的にはLAN端子(イーサネット?)もついていたが、たぶん使えないのだろう。説明はなかった。
なお、座席数は8x3=24席で、ビジネスクラスより圧倒的に少なかった。
ノイズキャンキャンセリングヘッドホン(以下NCH)対決
今回のスコットランド行きでは、3種類のNCHを実際に機内で試すという非常に稀な機会に恵まれた。オーディオ評論家でもない限り、こんな比較をできる人はいないだろう。というわけで、レポートを書いてみる。
たまたま全部SONY製で、
- MDR-NC11(イヤホン型)
- MDR-NC6
- MDR-NC500D
まずNC11は、一番古いだけあって一番性能が悪い(笑)。とはいえ、大きさと値段の問題もあるわけで、後継機種は性能向上してるだろうし、イヤホン型NCHも悪くない選択肢かもしれない。イヤホン型は、ある意味で耳栓をしているのに近いので、高周波騒音の遮断性能は以外と良い。
次にNC6だが、たぶんこれが一番使えないと思う。性能はNC10と大差なく、大きさは全然大きい。値段的にはこれが一番安いのだろうか。とはいえ、NCHがあるのとないのとでは、やはり大違いである。騒音というか、疲れ方が違う。
最後にNC500Dだが、やはり定価5万円は格の違いを見せてくれる。一定周波数より低い音は、ほぼ100%カットしてくれる感じである。また、装着感も軽い。私は耳がでかいので、「耳が痛くならない」ことを非常に重視するが、NC500Dはこの点は100点満点である。NCHはどれも、スイッチONしたときより、スイッチOFFしたときに効果を感じるが、NC500DだけはスイッチONでも強烈な効果を感じれる。ふっと周囲の空気が軽くなる感じである。おそらく、安全のために、ノイズキャンセル効果を自制しているのではないだろうか。内臓ソフトを書き換えれば、ものすごいNCHに化ける予感もある。
ACアダプタ(240V対応)による充電で15時間連続使用可、単3電池による駆動も可能、NC機能だけ欲しい場合はケーブルレス。非常に便利なキャリングケースつき。要するに、SONYの最高級NCHである。
しかし
私は絶賛するし、オススメもするが、決して無音になるわけではないことには注意。「機内でクラッシック」とか宣伝してるが、過度な期待は禁物である。エンジン音は明らかに聞こえるし、高周波数の騒音は、それほどキャンセルしてくれない(とはいえ、他の2つに比べると差は歴然だが)。あえて悪く言えば、エンジン音の特定のエネルギーだけを吸収するために、なんというか変なエンジン音になる、といえなくもない。
無音の部屋で使うと、(NCHはどれもそうだが)「さー」というノイズが乗っている。ピュアオーディオ用のヘッドホンとしては、専用機には絶対に勝てないだろう。しかし、機内(や電車内)用としては、とてもとてもオススメである。実売価格で3万円以上するが、長距離国際線によく乗る人なら、絶対に買いではないかと思う。BOSEのQuietComfortシリーズと直接比較はできなかったが、少なくとも負けてはいないと思う。QC3以上のNC性能をもったQC2といった感じだろうか。
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