マナド、ブナケン旅行記(2003年5月) 出発前

出発前

ここんとこ長い間海外の無謀一人旅にでてないので、あの美しい珊瑚の海も 見たいことだし、どっかいくことに決定。条件は

この2条件を満たす土地をインターネットで検索した結果、インドネシア北スラウェシのマナドという町の沖合いにある、ブナケン島にいくことに決定。スラウェシ島はボルネオ島の東にある大きな島で・・・ なんてことを話してもようわからんと思うので、さくっと地図をば


Map of Manado2003年5月1日現在の外務省海外安全ホームページより

なんですか、これは!

実は世の中はこの時期、アメリカによるイラク侵略戦争がらみのテロと、謎の伝染病SARSの大流行とで、東南アジア一帯は結構危険ということになっていたのであった。無謀旅行に相応しい目的地選択と言えよう(笑;
ちなみに、SARS的にはインドネシアは感染者2名、死者0名という安全な状況であった。ただシンガポールでは死者がいっぱい出る事態になっていたが。

さてさて、さっそく格安航空券を購入。旅行日程は
予約状況(4/16)
Tokyo
Singapore
Manado
5/04 (SQ)
19:10
01:10+

5/05 (SilkAir)

09:55
13:25
5/10 (SilkAir)
17:30 14:15
5/10 (SQ)
07:05+ 23:15
航空券代金
\51,540


SQ:シンガポール航空
インターネットで安い店みつけて、チケットの予約して、銀行振り込みして
「むちゃ安いやんけ〜。さすが「渡航の是非を検討してください」地域だけのことはあるなあ、へっへっへ」
などと笑っていた私であった。まさかこの先、再三にわたる悲劇をみるとも知らずに・・・



振込みから2日後の4/18に、携帯に電話が。
「5/5のマナド行きの便がキャンセルされました」
え?
シンガポール⇔マナド間の航空便は、月水土にSilkAirというシンガポール航空の子会社っぽい のが運航しているのであるが、なんか一方的にフライトをキャンセルしてきたらしい。もう金払ってるのに・・・ この段階では、まだ発券はしてなかったの で、キャンセルするなり別の場所いくなりできたのであるが、ブナケン島で泳ぎまくるぜ!というテンションが高かったため、結局以下のスケジュールで発券す ることに。

発券状況(4/21)
Tokyo
Singapore
Manado
5/06 (SQ)
19:10
01:10+

5/07 (SilkAir)

09:55
13:25
5/10 (SilkAir)
17:30 14:15
5/10 (SQ)
07:05+ 23:15
航空券代金
\51,540



現地に3泊しかできないけど、まーしゃーないか、と思いつつシュノーケリングの本なんかを読んでいると、今度は4/30にまた旅行会社からメールが・・・
大変申し上げにくいのですが、シンガポール航空に再度フライトスケジュールに調整が入りまして、お客様の帰国便 シンガポール→成田のフライトがキャンセルになってしまいました。。。
なんだと(怒;
シンガポール航空が一方的に振り替え通知してきたスケジュールは

SQ命令第1号(04/30発令)
Tokyo
Singapore
Manado
5/06 (SQ)
19:10
01:10+

5/07 (SilkAir)

09:55
13:25
5/10 (SilkAir)
17:30 14:15
5/11 (SQ)
20:40 11:00
航空券代金
\51,540



シンガポールに一泊して、さらに帰りの飛行機は台湾経由の9時間40分の便に乗れとの仰せ。あんたのとこの飛行機は、囚人護送機ですか(怒レベル++;
かなり頭にきたので、旅行会社に
  1. なんでここまでされて、キャンセル&全額返還ができないのか!
  2. 最低でもシンガポール1泊分のホテルと、空港からホテルまでの送迎はついてるんやろなあ
  3. 大体、こんなんおかしいやろ。シンガポール航空の運送契約書をちょっとみせろ
と要求することに。その結果、まずホテルと送迎はSQが確保するとのこと。でも1と3は無理ですと。契約書の一部抜粋:

9. We undertake to use our best efforts to carry you and your baggage with reasonable dispatch. Times shown in timetables or elsewhere are not guaranteed and form no part of this contract. We or any other carrier on which you may travel may without notice substitute alternate carriers or aircraft, and may alter or omit stopping places shown on the ticket in case of necessity. Schedules are subject to change without notice. Neither we nor any other carrier on which you may travel shall assume any responsibility for your connections on SIA or any other carrier.

下線部をexcite!の英文翻訳ページは
「予定表の中で、あるいは他のところに示される回は保証されず、この契約の一部を形成しません」
と訳してくれた。普通に訳せば
「時刻表などに示されている時刻は保証の対象ではなく、この契約の一部でもありません」
となるだろう。スケジュールを守るどころか、そんなもんは契約とは無関係だと言ってるわけですな。

「ふ! 運べばいいのだよ、運べば。国際航空旅客運送に関するワシントン条約があるから、命だけは保証してやるがな」

という高笑いが聞こえてきそうです。やはり囚人護送機だった模様(涙;

この契約書じゃ、どんだけ好き放題にスケジュール変更されても、たとえシンガポールから南極と北極を回って40時間くらいかけて成田に行かれても、まして や飛行機が船に振り替えられてても(爆;、契約違反じゃないよなあ。この件に関して、旅行会社と民事に詳しい私の友人とかなりいろいろ議論をしたのだが、 それはもはや旅行記とは言えないので、省略。

ちなみに、JRは大きく遅れた場合は、特急料金だけは返却してくれる。ので、法的にいうとたとえ仙台⇔福岡間でも、飛行機よりも新幹線のほうが早くつくことを「保証」しているわけですな。
あと笑えるのが、契約書を読んでいくと「従業員や乗務員らが時刻表に関して何をいおうとも、時刻表は契約の一部ではないことに違いはありません」という文 があること。自分んとこの社員くらい教育しとけ(笑; ま、フライトスケジュールが契約の一部でなければ、「お客様の便は何時何分発です」とか「出発の1 時間前までにカウンターにお越し下さい」とか、意味不明だしな。もっと慣習と常識に沿ったまともな契約書つくりなさいということで。


ただし、今回の教訓として、
  1. 乗り物の時刻表はすべて、時間通り運行されることについて、誰も責任をとらない。
  2. 時刻表とは、天気予報とか、「あの店に今日キムタクが来るらしいよ」といった口コミ情報となんら違いなし。
  3. 航空会社は、悪天候とか戦争などはもちろん、ただ客が少ないというだけで簡単に便をキャンセルする。
  4. よって、スケジュール通りに旅行できるなんて思わないほうがいい。
ということは覚えておこう。つっても、4がある程度成り立ってないと、「現地に1週間放置プレイ」とか「現金がないまま空港で野宿」とか「会社に帰ったら自分の机がなかった」などといったイベントが不可避なんですけどね。



いいかげん読んでる人も、もうこの話はいいから、旅行の話をしろ、と思っているであろう。だから、5/2に再び電話があり、

SQ命令第2号(05/02発令)
Tokyo
Singapore
Manado
5/06 (SQ)
19:10
01:10+

5/07 (SilkAir)

09:55
13:25
5/10 (SilkAir)
17:30 14:15
5/11 (SQ)
07:05+ 23:15

航空券代金
\51,540


滞在時間:シンガポール(38時間30分)、マナド (72時間50分)、最終目的地 ブナケン島 (約70時間)

とうとう、月曜日に帰国というスケジュールになってしまったことについても、もう何も書く気が起きない。


次はちゃんとした旅行記です(笑)