ボルネオ島・バリ島旅行記(1999年夏)その1

私の3大趣味は、ドライブゲーム、ネットワーク対戦RPG、ネットワーク対戦SLGである。あ、ちがった(笑) まあゲームもするが、スポーツとしてはスキーのほか、テニス、スカッシュ、釣り、そして素潜りをやっている。最初に珊瑚の海の美しさに目覚めたのは、ハワイのハナウマ湾を訪れたときで、その次の年は金欠で白浜(涙)、その次の年には与論島に潜りにいっている。今年はどこに行こうかなとつらつら考えて、バリ島に決定した。理由は滞在費が安くつきそうだから。さらに東南アジアなら、ボルネオ島にある研究室の同輩後輩がいる熱帯雨林の研究施設を途中に訪れることができるだろう。というわけで、関空からまずはマレーシアの首都クアラルンプールへLetsGo!である。

日程としては、まずはボルネオの研究室を訪ね、日本から持っていってくれと渡されたでかい荷物を全部Unloadしたのち、軽い出で立ちでバリへ遊びにいく、というものだ。いや、ホントは対してでかくなかったんだけどねw

クアラルンプールの空港で6時間ほどの待ち時間ののち、国内線にのってボルネオ島のミリという町へと向かう。いちおうジェット機だw。日本からはるばる20時間の旅を終えて、私を出迎えてくれたのは、、、

みたこともないような、超巨大ゲジゲジであった(^^;

体長約30cm、写真ではちょっとよくわからないが、黒い胴体に真っ赤な脚がうじゃうじゃ生えているその様子は、私ならずとも思わず体をひくであろう。

ちなみに毒はないらしい。でも触りたくはない。。。

棒でつつくと、くるっと丸くなることから、バームクーヘンヤスデと命名。バームクーヘンの新作は、ちょっと大きめでしっかりした歯ごたえが自慢です。

このバームクーヘンを主食にしているという(嘘)研究所のメンバー。真ん中にいるタオルかけたオヤジが私です。

4日間の滞在中、いろいろと世話を焼いていただきました。この場を借りてあつくお礼申し上げます。

このうち2人は研究室の後輩で、よく知っている面子だ。熱帯雨林のすぐ隣という蒸し暑い環境な上に、当然風呂はなし、シャワーも水のみ(!)という過酷な生活環境にも関わらず、みんな元気に生きていた(当たり前かw)。

辺境の地でありながら、こんなに可愛い女の子が2人もいるのは驚きである(ヨイショっとお)

さて翌朝、ここの名物の一つ、タワーに上らせてもらった。タワーとは、35m以上もあるという熱帯雨林の樹冠の上まで頭をつきだしている建造物だ(だからタワーだってば(笑))。湿度100%、気温も朝とはいえ30度に近い状態の中を汗だくになりながらあるいた後、死ぬほど長い階段が待っている。うへえ、かんべんしちくり〜。

しかしてっぺんまで登るとそこには、朝靄をたくわえた熱帯雨林の壮大な景色が広がっていた。

朝の放射冷却による気温の急降下によって、もともと湿度100%だった空気は水蒸気を蓄えきれなくなり、水滴が細かい霧状になって湿度の低い樹冠の上へと逃げていくのだ。

いやあ、しかし熱帯雨林の森は綺麗だねえ。。。 んー、綺麗か?(笑)

なんか真ん中ちょい左にある木、君なんでそんなに幹むき出しなの?ここは地上50mだよ、光が欲しくてはるばるこんなとこまで登ってきたというのに、葉っぱつけないでどうするの?? それからちょうど真ん中に見える遠くの木、一本だけ突出して高いけど、葉っぱすかすかじゃん。どうしてこうなのかなあ、高いとこいきすぎてどっか壊れちまった?

というわけで、熱帯雨林の樹冠構造は、温帯に比べると異様なまでにぐちゃぐちゃであった。種多様性が非常に高いのも大きな特徴だけど、このことも大きな特徴だと思うんだよなあ。

などと朝は学者らしい事を考えていたが、森の中での調査手伝いが始まると、それは地獄のような作業であった。

「死ぬほど蚊がいる」

蚊はとにかく、人間の周りを常時100匹以上が取り囲んでいると思ってくれていい。誇張に満ちたこの日記(おいおい)の中でも、これだけはホントである。もちろん長袖長ズボンだが、おかまいなしに、わずかな露出部分を集中的に襲ってくる。蚊というと日本では「うっとおしい存在」くらいなもんだろうが、ここでは「捕食者」である。はっきり言って生命の危険を感じる。

「蒸し暑い」

これは当然覚悟していた事だが、やはりいざ体験するときつい。ここまでつらいと、何をする気力もなくなる。依頼された作業自体は本当に楽な仕事で、日本の森ならば「こんな楽でいいの?」ってくらいのものだったが、ここではただ森の中にとどまること自体が苦痛であった。はやくここから抜け出したい。

こういうところで仕事をしてる人は本当にすごい。好きでなければ絶対に続かないだろうなあと痛感した。


 さて、せっかくマレーシアはボルネオ島にきたんだから、文化も多少はみておかねば、という事で、現地の人が住んでいる家を訪ねた。なんでも、研究者の一人のKくんが仕事を手伝ってもらうヘルパーさんを雇うというので、それについていったのだ。

現地の人はこんな家に住んでいる。Longhouseと呼ばれているらしい(そのまんま)。高床の下にはニワトリやら犬やらが飼われている。構造はこの上なくぼろいが、中はかなり広い。一世帯あたりの部屋面積は、超高級マンションなみだ。部屋の中に犬がいるのもいっしょ。

この一帯の人たちには、マレー語が通じる。しかし日常生活には現地の言葉を使っている。さらに子供や若い人たちは英語も話せる。つまり3カ国語を離せるわけです。そんな日本人滅多にいないよね。人間見た目と住んでるとこでは判断できません。さて、ヘルパーさんを雇いにきたKくんは、あらかじめ候補に挙がっていた人に仕事の説明を始めた。

博打に興じる現地の人たち

。。。御免なさい、また嘘つきました

聞いて驚け! わあっ! いやまだ早い。

Kくんはマレー語がペラペラなのだ。現地の人は英語が分かる人もいるとはいえ、やはり英語は第2外国語に過ぎない。せめて国の公用語でもあるマレー語でなくては、大事な仕事の説明は理解してもらえないというもの。

しかしこのとけ込み具合はどうよ!

おもしろいからどれがKくんかはクイズにしておきましょう。分かった人は理由を添えて私までメールを

さて、私は暇なので、適当にLonghouse内の廊下を歩きまわる。みんな突然の客にもにこにこ笑顔だ。私は英語ができそうな若い男性と少し話をする機会に恵まれた。彼によると、このLonghouseでは、来る者は拒まず、出身地などの差別なく、みな平等に暮らしているらしい。そして家が足りなくなると、増築してLonghouseがさらにLoonghouseになるそうな。あんまり延びすぎると家の向こう側に行くのが大変になるうえ、もし火事でも起ころうものなら一発なので、もう一つLonghouseを作るそうな。もちろん最初はShorthouseからである(^^;

またこの日に別のLonghouseまで行ったのだが、そこのLonghouseはかなりやばいLongさであった。廊下でゼロヨンができるくらい。で、その巨大Longhouseを納める長老様みたいなとこに、挨拶にいったのだ。なんせこの付近の人たちはみんな気さくである。突然の来訪にも関わらずいきなり酒を振る舞ってくれた。ライスワインのような味だ。そこで私は、前から少し気になっていた事をKくんに聞いてもらった。

「ここは熱帯で季節は存在しないのに、どうして米を作る月は決まっているのか」

そう、この熱帯では一応乾季とか雨季に相当するような季節があるものの、非常に不安定ではっきりと季節と呼べるようなものはない。にも関わらず、米を収穫し、新しい苗を植える月というのは、何月と決まっているらしいのだ。この質問をKくんが発した瞬間に、長老の顔付きが変わった。

「おぬし! よくぞ聞いてくれた。うむ、それを話すにはまず我が一族の成り立ちから話せばなるまい。今を去ること2700年前、ここら一帯は。。。」

長老はKくんにも分からないような難しいマレー語で、説明してくれたらしい。しかし結局何を言ってるのかわからなかったので、上のセリフは一部(全部も一部に含む)類推で補っております。

しかしこれは気になる。求む情報!


さて翌日、ここの研究所の最大のウリ、Walk Way に連れてってもらいました。Walk Wayとは、樹冠の上に咲く花やそれに集まる昆虫、鳥などを研究するために、樹冠の高さにそって作られた全長ウン百メートルの吊り橋です。では、さっそく。。。

こ、怖いって(笑)

幅50cmほどの板を吊ってるだけ、ほんとそれだけなのだ。当然ぐらつきまくりです。

下を見ればそれはもう、笑いが出るほど高い(涙)

ほらね(TT;

ほんとはもっと下のほうまで写真あったのですが、暗くて真っ黒なだけなのでカットしてます。

研究に疲れたときは、ここから落ちれば一発です。でも後の人が迷惑するのでやめましょう。

もちろん腰に通した命綱があるから、こんな芸当ができるわけです。でも命綱あっても、宙ぶらりんになったらやっぱり死ぬかもしれませんが。助けがこないときは、一思いに。。。

なにをバカなことばっか書いてるんでしょうか。少しはまじめな話をしましょう。後ろにみえるのは宿り木の一種です。なんと上から落ちてくる落葉を傘の部分で受け止めて、微生物に分解させて土のようなものを作り、それを栄養分として生きているそうです。すばらしい生命のアイディアと実行力です。

しかしこの宿り木はどうやって繁殖するんでしょうか? やっぱ地面に落ちた種が、発芽してから大木の幹にそって上へいくんでしょうか?この写真のように、枝もなにもない部分についてるのを見ると、ちょっと不思議な感じです。空中浮遊(意味不明)

どこのバカでしょうか、こんな無茶なハシゴを通したのは。

これで向こうの木まで渡れるという事みたいですが、最初に向こうに渡ってハシゴを固定した人は、どういうつもりだったんでしょうね?だいたい、吊り橋だってやたらとぐらぐらして、50cmくらいは余裕で左右に揺れてます。こんなもん、、、、

なじぇええ?!

気がついたらハシゴの上にいました。

一応命綱はハシゴの段にかけてますが、落ちたら宙ぶらりんコース確定です。このハシゴが2人の人間を支える強度を計算して作られている可能性はまずないでしょう。ああ死ぬ前に一度くらい松坂牛を食べたかった。

#ほんとは綱は短いので宙ぶらりんでも死にません(たぶん)

いやまじで吊り橋の手すりの部分を乗り越えるときは、緊張しましたよ。越えてはいけない一線を越えたというか。ううん、背筋ゾクゾク。 か い か ん。

最初にハシゴを渡した人も、きっとこうやって壊れていったんですね(笑)


さて、一生忘れられないような思い出をたくさん作ったマレーシア、ランビル国立公園とも 分かれを告げ、

次なる目的地、バリ島に向かいます。